GreenLight レーザ療法について
前立腺肥大症
前立腺は、男性の膀脱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいる分泌腺です。
前立腺は通常、十代でクルミくらいの大きさまで成長します。前立腺重量は加齢に従って増加し、組織学的な前立腺の肥大は80歳代では約90%にみられます。
そして、男性の約80%が、80歳になるまでに前立腺肥大症を発症すると言われています。肥大した前立腺は尿道を圧迫し、夜間頻尿、昼間頻尿、尿勢低下、残尿感、尿意切迫感などの症状が出現するのです。
前立腺肥大症は、良性の肥大であり、がんではありません。しかし、その症状は多くの患者様の日常生活の様々な支障をきたし、治療が必要になります。
GreenLight レーザ療法
従来、前立腺肥大症の治療は、電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TURP)が行われてまいりました。
この度、豊中敬仁会病院では、前立腺肥大症の最新治療であるGreenLightレーザ療法(PVP)を導入いたしました。
GreenLightレーザ療法(PVP)とは、内視鏡(膀胱鏡)を用いて尿道から細い光ファイバを通して行う手術です。この光ファイバから高出力レーザを照射し、前立腺組織を蒸散させることで尿路のつまり(閉塞)を取り除くという治療法です。
患者さんの多くが、すぐに自然に排尿できるようになり、症状が緩和されます。PVPに用いる緑色可視レーザ光は血液中のヘモグロビンに選択的に吸収され、効率的に肥大した前立腺の腺腫を蒸散させることができるため、PVPは出血のリスクが少なく、抗凝固剤使用下においても服薬を休止等せずに安全に施行することが可能です(日本泌尿器科学会ガイドライン:推奨グレードA)。
また、勃起障害(ED)などの性機能障害に影響せず、逆行性射精などの射精障害の発生頻度を抑制させることができるため、すでに世界で90万例以上の実績があります。
PVPは、副作用が少ないだけでなく、伝統的な手術療法である電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TURP)と同等の有効性が得られます。
入院については患者さんの状態によって状況は様々ですので、担当医にお尋ねください。